【Vol. 02】マコモ龍宮城を創ったファミリーたち

Main Builder / ゆっきー (アバウト工務店)

2022年4月からスタートした『マコモ龍宮城プロジェクト』。アバウト工務店の一員として、建設予定地にまだ何も無い状態。ゼロからつくるということは初めての経験で、創造することへの高揚感で溢れていました。

沢山の参加者さんと共に、数々のワークショップを経て、アバウト工務店が龍宮城本体を手がけたのは、9月下旬の上棟式が終わってから。様々な要因により予定よりもずれてしまったスタート。そして多忙により棟梁、山納銀之輔の不在が多くなってしまう、という不安の中で動き出したプロジェクト。

現場を任され棟梁不在の中、進めていかなければならない。現場を把握し、メンバーに作業指示をしていく必要があったことで私には「責任感」が生まれてしまいました。
そして、東北の厳しい寒さを初めて体感。アバウト工務店のメンバーも、少なくなってしまう中での孤独な作業。当初感じていた楽しみながらつくっていくという感覚がそれだけではなくなっていき、私の中で沢山の葛藤が生まれました。

大工でも、建築家でも、左官職人でもない。専門家でも何者でもない私が、なぜ龍宮城をつくっているのか。何に向けてやっているのか、これが本当にやりたいことなのか? などの葛藤と、虚しさや寂しさを感じながらの作業。

「6月1日の出雲大社で行われるマコモの会で、龍宮城のお披露目をする」 ここに向けて、私はただひたむきに進むしかなかった。

おそらく、建設中の龍宮城に訪れたことのある方は、私の、お風呂に籠ってタイルを貼り続ける姿が一番印象深いでしょう。メインのお風呂の浴槽全体、壁の半分はタイルで仕上げていく!という中で、作業員に対し、作業量は半端なく多く、私は1人でタイル貼りをしなくてはならない。毎日毎日、1人でお風呂場に籠り、タイルを一枚一枚貼り続け、仕上げていく。まさしく、自分との向き合いの日々。

逃げ出したくなることも沢山ありましたが、そんななか、助けに駆けつけてくれた仲間の存在、リバーヴさんの存在が私にはとても大きな支えとなってくれました。

スタートから1年半近く。完成時は、楽しかった思い出も辛かった思い出も走馬灯のように蘇り最後には全てへの感謝で涙が溢れた。

龍宮城での日々は、私に技術面は然り、内面の向上、沢山の経験を与えて下さいました。本当に貴重な経験を与えて下さったリバーヴさん、銀之輔さんに感謝しかありません。

まだまだ続くマコモ龍宮城プロジェクト。今後の繁栄もとても楽しみです。

 

坂口 由貴子 ─ Profile

1989年8月4日生まれ。兵庫県西宮市出身。
徳島大学在学時に発生した東日本大震災による福島原発事故。福島県伊達市及び白河市にて、市役所や農家と提携し、農作物・土壌・水などの生活における身の回りの放射能測定を実施。白河市では多数の小・中学校を対象に、校舎内の放射能測定し、生徒や保護者に向けて「放射能について知り、正しく恐れる」をコンセプトに放射能についてのお話会を担当。大学院を含む3年間、研究の傍ら、地域の人々に寄り添う活動を行う。修了後、企業に5年間勤務。

退職後、中国伝統医療である推拿整体を習得。整体師としての傍らフリーランスとして活動を始める。

2019年12月に石垣島へ移住。移住後、山納銀之輔と出会い、アバウト工務店の活動に参加。またレインボーピープルとしてタンザニアで約2ヶ月間の村づくりを経験。様々な経験を経て「本当の豊かさ」とは何か。「内なる豊かさ」を感じ続けること。「ありのままの私」で在ること。を大切に生き続けている。

現在、古き良きものを残し、再生すること、すでに在るという豊かさを味わい、伝えるため古民家のリフォームを対象に【和風邸〜古民家再生プロジェクト〜】を新たに立ち上げ、活動をしている。

 

 

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