地下茎を利用した真菰(まこも)の苗の作り方と、植栽のポイントとは。
こんにちは。マコモマイスターの菊池です。
今年も真菰の植栽の時期になりましたので、今回は、真菰の苗の作り方について、ご紹介します。真菰の植栽には、原生種の真菰を使います。
原生種とは、いったい何なのでしょうか? まずは、真菰の苗づくりについて解説します。真菰の苗づくりは、大きく3通りの方法があります。
作り方1、稲作のように種子から苗を作る方法
作り方2、株分け(3~4等分)をする方法
作り方3、地下茎の芽を使う方法
です。
絵で説明すると、こんな感じ。
原生種のマコモは、3番目の方法で苗をつくります。
通常、稲作では行わない苗の作り方ですが、真菰は地下茎からの苗づくりが可能です。これが多年草植物である真菰の特徴のひとつです。(※ 多年草とは、冬に枯れてしまうことなく、数年に渡って生存する草花のことを指します)
ちなみに、自宅でマコモダケを育てる時は、2番目の「株分け」で苗を作ることをお勧めします。
写真からわかるように、株分けの苗は、すでに根や茎がしっかりしているので、成長するのも早く、初心者にも育てやすいのです。
ということで、真菰の地下茎をぶつ切りにします。根の節の部分から新芽がでてきますので、節の部分を残しながら、切ります。
これを水に浸けます。
2週間くらいすると、新芽が出てきます。
取り上げるとこんな感じです。自然のチカラってすごいですよね。
さらに2週間くらいすると、立派な苗になります。
さて、今回はこの苗を、宮城県の川崎町で「みっけ学舎」を運営している「一般社団法人 里つくり」 の荒川代表はじめ、地元の方々たちと一緒に植栽しようと思います。
「みっけ学舎」は、廃校となった、元砂金小学校を活用した施設です。( みっけ学舎ホールのホームページは、コチラ )
施設のテーマは、「自給自足の村」。
地域のみなさんと一緒に衣・食・住・エネルギーなどを、自給自足経済を目指し、自然と共生しながら、安全で安心した生活ができる社会を作ることを目指しています。
約3年前にオープンした施設ですが、現在はすっかり馴染んで、地域のみなさまの交流の場となっています。
毎週日曜日には、カラオケで盛り上がり、
地元の食材を活用した食堂は憩いの場になっています。
また、体育館では、卓球やバドミントンなどの運動もでき、
汗を流したあとは、ミストサウナに入ることもできます。
足湯で休憩したあとは、
地元で採れた野菜を買って帰る人も多いとのこと。
この3年間で、「みっけ学舎」は川崎町のみなさまにとって、かかせない存在になっているようです。
それでは、植栽に取りかかりましょう。稲作なら機械で植栽するのが主流ですが、真菰用の田植え機はありませんので、昔のように手作業で植栽をします。
ヒザ上まで浸かってしまう深さなので、服装はつなぎを着て作業するのがオススメです。つなぎがなかったら、裸足でやりましょう。(ちなみに私は素足でやりました)
そして、等間隔で植栽をするために、みんなで間隔をあけて田んぼに入ります。
両サイドでは、ロープを持つ担当を用意して、平行に植栽をします。
真菰の葉が、水面から出るように植栽します。
植栽終了です!
一通り植栽が完了しましたが、やっぱり田植えは、足をとられます。荒川代表も足をとられてなかなか抜け出せませんでした。
植栽終了後は、川崎町の皆さんと一緒に昼食会です。今日の反省と、今後のみっけ学舎について意見交換をしました。とても楽しかったです。
以上、真菰の苗づくりと、植栽体験でした。
真菰は、最近注目されている植物である一方、その植栽方法や育て方などは意外と知られていません。また、真菰とマコモダケの違いがわからない方も多くいらっしゃいます。
真菰は歴史と伝統がある植物なので、この記事をキッカケに、もっと日本の皆さんに知れ渡ってくれれば幸いです。