マコモの和紙を作ってみた

こんにちは。

マコモマイスター菊池です。

今日は弊社で定期的に作っているマコモの和紙の製造現場をレポートしたいと思います。

今回協力してくれるのはこちらの方。

 

リバーヴ製造工場の阿部チーフ。

勤続20年以上。普段はマコモの製造現場で活躍中の方です。

 

kikuchi_maru_2『よろしくお願いします。』

 

阿部チーフ_02_74 『こちらこそよろしくお願いします。』

 

kikuchi_maru_2『基本的な質問ですいませんが、まずは和紙と洋紙の違いを教えてください。』

 

 『明治時代以降に日本に来た洋紙は、安価で大量生産ができるため、新聞や雑誌など私たちの身近なところで使われていますよね。でも欠点もあります。』

 

kikuchi_maru_2 『欠点とは?』

 

 『耐久性がないという点です。洋紙は大量生産するために、原料に劣化しやすい成分が入っているため、繊維が細く、耐久性があまりありません。変色もしやすいです。一方、和紙は繊維を破壊する成分は殆ど入っていなく、繊維が太いため、耐久性があります。日本は古い書物が多く残っていることからわかるように、和紙は1000年以上保存が可能です。』

 

kikuchi_maru_2 『大きな違いがありますね。』

 

 『そうですね。今回のマコモの和紙は、日本古来の作成方法に近づけるために、極力マコモの繊維を破壊することなく作成します。マコモ独特の風合いが出た紙になると思いますよ。』

 

kikuchi_maru_2 『よろしくお願いします。』

 

 

1.寸胴鍋に水を入れ火にかけ沸騰させます。

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kikuchi_maru_2 『大きい鍋ですね。お水は何リットルくらいですか?』

 

 『50リットルくらいですね。』

 

 

2.マコモの乾燥チップを、2時間程度煮詰め、繊維をやわらかくします。

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kikuchi_maru_2 『マコモの乾燥チップは、どうやって作るのですか?』

 

  『マコモを刈り取って、乾燥し、チップにしたものです。粉末のマコモと違って、独自発酵はしていません。』

 

 

 

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 『その後は、繊維を柔らかくするために、煮詰めて、2時間くらい棒でかき回します。』

 

 

kikuchi_maru_2 『大変ですね。』

 

 

 『そうですね。力仕事なので、手伝ってくれる人がいるとうれしいですね。』

 

 

と、話していたら、、、、

 

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kikuchi_maru_2 『あっ! 社長!』

 

 

mitsuhiro_74 『やあ。』

 

ここで急遽、小野寺光広 社長の登場です。
マコモの創業者、小野寺廣志の孫にして、株式会社リバーヴの三代目社長です。

産まれた時からマコモと共に生活し、カラダの半分はマコモからできていると言っても過言ではありません。

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mitsuhiro_74 『皆さま、ハーモニーをお試しいただきましたか? 当社の人気商品なので、ぜひよろしくお願いします!』

 

 

kikuchi_maru_2  『・・・・・・』

 

はい。社長が去って行かれました。。。

 

 

3.煮詰めた後、お湯を捨て、水がきれいになるまですすぎ、脱水します。

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 『機械で脱水してこんな感じになります。』

 

kikuchi_maru_2 『最初のチップ状のマコモと比べるとだいぶ形は変わりましたが、これが紙になる感じがまだしませんね。』

 

 『ここから繊維をほぐします。』

 

 

4.脱水したマコモの繊維をほぐします。

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 『時間をかけて手作業で細かくします。繊維質がなくなってしまっても自然な風味が出ないので、繊維質が多すぎず、少なすぎず和紙の自然感を出すくらいのバランスのとれた感じで。特に、節などの硬い部分は必ず除きます。』

 

kikuchi_maru_2 『かなり手間がかかりますね。』

 

 『そうですね。でもこの繊維質の調整が和紙づくりの重要なポイントなんです。』

 

 

5.繊維をほぐした後は、ミキサーに入れ、水と混ぜて、細かくします。

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kikuchi_maru_2 『水しか入れないのですか?』

 

 『一般的な和紙の作成は、ここで白い紙を作るために漂白剤を入れたり、紙同士がしっかりくっつくように粘性剤を入れますが、今回は日本古来の和紙の風合いに近づけるため、何も入れません。』

 

kikuchi_maru_2 『最初に話した、洋紙のように紙が劣化する原料を一切入れないということですね。』

 

 『そうですね。』

 

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はい。だいぶ細かくなりました。

 

6.均一になるように、底板を敷いた型枠に流し込みます。

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kikuchi_maru_2 『型に流す量によって、和紙の厚みが変わってきますよね。』

 

 

 『そうですね。先ほどのミキサーで混ぜる時に、水とマコモの分量はあらかじめ決めてますので、濃度は一定です。なので型に流す時も量を決めておけば、紙になった時の厚さも同じになりますよ。繊維の硬さで少し差が出てしまう時もありますけどね。』

 

 

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7.表板をのせ型枠を外します。

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 『ちなみに表版は、より均一に平らにする為に、4~5枚くらい重ねます。』

 

 

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8.上から圧をかけ水を切ります。

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kikuchi_maru_2 『おっ、だいぶ水があふれ出てきましたね。』

 

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そして、水分もなくなりました。

 

 『いよいよ最終工程に進みますよ。』

 

9.表板を外して乾燥します。

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kikuchi_maru_2 『何時間くらい乾燥させるのですか?』

 

 『気仙沼は海沿いなので、海風がすごい季節など気候が様々です。それも考えると、だいたい1日~2日くらいですかね。』

 

 

10.乾燥しました。

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緑色から白に変わりました。

 

紙っぽくなってきましたね。

 

 

11.乾燥したら表面が滑らかになるようにサンドペーパーにかけます。

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まずは重しを使って、端の膨らんだ部分を平らにさせてからサンドペーパーをかけます。

 

 『サンドペーパーは、機械の振動がすごいので、意外と大変なんですよ。』

 

kikuchi_maru_2 『確かに大変そうですね。』

 

と、話していたら、、、、

 

mitsuhiro_74 『手伝うよ!』

 

おっ、また社長が、、、

 

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手伝ってくれました。。。

 

 

mitsuhiro_74 『皆さま、ハーモニーをお試しいただきましたか? 当社の人気商品なので、ぜひよろしくお願いします!』

 

 

12.いよいよ完成

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サンドペーパーをかけたものをまとめて、、、完成です!

 

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13.私達のメッセージをお届けします

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ゴム判を作って、完成した和紙にスタンプします。

 

 

kikuchi_maru_2 『これは自作のゴム版ですか?』

 

  『そうです~♪。 スタッフが感謝の気持ちを込めて、全て手作りしたんですよ!』

 

ちなみに裏面はこんな感じ。

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マコモの風合いが出てて、ステキな和紙のハガキになりました。

かなり手間がかかっていますが、これが和紙の良いところでもあるのです。

まさに、これぞクールジャパン!

 

マコモの和紙は今後も定期的に製造予定です。ご期待ください!

 

みなさま、お疲れさまでした~

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マコモマイスター菊池(コラムを書いた人)

 

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